越前朝倉家の柱石・朝倉宗滴(教景)の生涯

戦国時代といえば、織田信長や武田信玄、上杉謙信といった著名な大名が覇を競った16世紀後半をイメージしがちですが、前半にも魅力的な武将は数多く存在しています。

今回取り上げる朝倉宗滴もその一人で、加賀の一向一揆に絶えず国境を脅かされる越前にあって朝倉家の統治を確固たるものにした名将です。

時代劇などでもなかなか登場することは少なく、その一生について触れられることも多くはないため、この機会に少しでもその存在が知れ渡ればいいなと思います。

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1.越前朝倉家の八男坊


朝倉宗滴は、1477年、越前の守護大名である朝倉孝景の八男として誕生しました。父親の孝景は、朝倉家の7代目で、越前の守護大名である斯波氏に仕えていましたが、応仁の乱に際して越前一国を手中にし、戦国大名として独立した地位を築いた人物です。

宗滴の本名は教景といいますが、これは朝倉家歴代の当主が名乗っていた名であり、また、父親と同じく小太郎と称していたこともあって、八男ではあるものの実質的には嫡子として扱われていたのではないかと考えられているようです。

しかしながら、1481年に孝景が死去した際、宗滴は若年ということもあって、兄の氏景が家督を継承しました。

2.家督への野心


前述の通り、いずれは家督相続の目もあったことから、成人した宗滴は家督継承の野心を秘めて暗躍することになります。

一族の景豊や元景などとともに、氏景に対する謀反を企んだこともあるようですが、結果的には先走って挙兵した景豊からの同心の誘いを拒否して出家し、氏景に対して密告することでその場を切り抜けています。どうやら、氏景の統治が既に盤石なものとなっており、反旗を翻しても勝ち目がないという冷静な判断があったようです。

これにより、氏景から信頼を寄せられることとなった宗滴は、以降家督への野心を胸の奥にしまいこみ、敦賀の郡司として朝倉家の軍務を取り仕切るようになりました。

3.加賀一向一揆との対決


越前の北に位置する加賀では、応仁の乱以降、一向宗の門徒により結成された一向一揆が守護大名である畠山氏を追い出して一国を統治するまでに成長し、巨大な勢力を築いていました。

一向宗を率いる本願寺は、室町幕府の管領である細川政元と深い関係にあり、更なる勢力拡大を目指す本願寺と反対勢力を潰そうとする政元の利害が一致した結果、越前に対する攻勢を強めます。

一方の朝倉方では、宗滴が前面に立って一向宗との対決姿勢を強めます。1506年、大挙して押し寄せた一揆勢との間で九頭竜川の戦いが勃発しますが、この時の一揆勢の兵力は一説には30万を数えたとも言われています。これは後に豊臣秀吉が小田原攻めに動員した兵数とほぼ同じであり、にわかには信じがたく、相当の誇張が混じっているものと思われますが、いずれにしてもかなりの大兵力であったことは間違いないようです。

これに対し、朝倉方は宗滴を中心に1万余の軍勢を差し向け、九頭竜川の流域で一揆方と対峙します。各地で激しい戦いが行われたようですが、結果的に宗滴の巧みな采配が功を奏し、最後は一揆勢は総崩れとなり敗走しました。数は多かったとはいえ、十分な訓練を積んでおらず、烏合の衆であったことから、精強な越前兵には歯が立たなかったようです。

これにより、家中の大黒柱としての地位は揺るぎないものとなりましたが、以降も宗滴は軍勢を率いて各地を転戦することとなります。

4.浅井家との友諠


1525年、宗滴は、近江の浅井亮政が美濃に出兵したことを受けて、その勢いをけん制するために、同じく近江の六角氏と図って出兵します。

その際、浅井・六角の調停役を担うのですが、この時の縁がきっかけとなり、朝倉家と浅井家の間には深い絆が生まれます。両者の盟約は長く続き、最終的には朝倉攻めを行った織田信長に対して、その妹婿であった浅井長政が反旗を翻し、姉川の戦いを経て両者が滅亡するといった悲劇的な展開を辿ることとなりますが、これは宗滴が世を去って以降のことです。

美濃出兵後も宗滴は活躍を続け、1527年には将軍・足利義晴などの要請を受けて上洛し、川勝寺口の戦いで三好一派に勝利するなど、朝倉家の中央での存在感を高めることに貢献しています。

宗滴は晩年まで最前線に立ち続け、1555年には既に80歳近くになっていたにもかかわらず再度、加賀の一向一揆との戦いに赴いています。しかしながら、寄る年波には勝てず、陣中で倒れた宗滴は越前に戻って養生に努めますが、その甲斐なく本拠の一乗谷で一生を終えました。享年79歳、当時としては異例の長寿です。

宗滴の存在があまりにも大きかったため、その死後、凡庸な当主である義景の下で朝倉家は急速に衰退の道を歩むことになり、最終的には前述の通り信長に滅ぼされることになります。

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